学校生活の部活動において、指導者によるパワハラやセクハラが問題になることがあります。
部活動(特にスポーツ)では、顧問と生徒間の上下関係が顕著になりやすく、密室的な空間での指導が生じることもあります。
そして、こういったことが、パワハラやセクハラを生じさせる要因ではないかと考えられています。
パワハラ・セクハラは身体に害を加えるものに止まりません
指導という名の下に、指導者が生徒に対し、殴ったり蹴ったりなどの事実上の暴力を加えたり、性的意図を伴うような不必要な身体的接触が行われたりすることがあります。
一般的には、こういったことがパワハラ・セクハラとして想定されます。
しかし、パワハラ・セクハラは、たんに、暴力や性的な身体接触という顕著なものに限られず、暴言や卑猥な表現など、身体に害を加えない言動であっても、状況や内容によっては、パワハラ・セクハラに該当することもあります。
例えば、人格否定的な発言を繰り返し行い、萎縮させるというのもパワハラの一種とされるでしょうし、体形や容姿に関する表現を執拗に浴びせかけることはセクハラの一種とされるでしょう。
信頼できる大人に相談を

このような事態が生じた場合、被害を受けてる当該生徒が我慢し孤立している事例も多くあります。
自らの選手としての生殺与奪が指導者に握られていることもあるでしょうし、セクハラなどであれば、恥ずかしくて話をすることも躊躇われるのかもしれません。
しかし、このような状況を甘んじていることは、学校にとってよくありませんし、何よりも、被害を受けている当該生徒にとっても、精神的・肉体的苦痛を積み重ねることとなり、よくありません。
このため、被害を受けている当該生徒自らができることの第一歩は、周囲にいる信頼できる大人に相談することとなります。
それは自らの親かもしれませんし、担任の先生かもしれません。
最近では、外部からカウンセラーが来ていて、学校内に相談窓口がある場合もありますので、そういった窓口に行くのも一つの方法です。
これらが見当たらない場合は、弁護士会などの相談窓口に連絡をしてみるのもよいでしょう。
私の所属する大阪弁護士会では、「子ども何でも相談」という窓口を設けています。
周囲の人が気づいたら
当該生徒本人が相談できない場合、周辺にいる人(親、学校の先生、その他の生徒)たちは、当該生徒が、そのような状況にあるのではないかということを察知すれば、当該生徒の話を聞いた上で、しかるべき対処を取れるように道筋をつけてあげるべきでしょう。
中でも、親が察知したのであれば、通常、学校の相談窓口に申入れを行ったりするところから始まりますが、可能な限り、客観的な証拠があるのであれば、それを保存するようにし、それを基にして話合をすべきです。
しかし、学校内の出来事であるだけに、学校の関係者と話合をするのが難しい場合もあるかもしれませんし、学校は問題のある指導者側の肩をもつこともあるかもしれません。
そういうときは、弁護士などの第三者に相談したりした上で、損害賠償も視野に入れ、慎重に進めるべき場合もあるかと思います。
※学校生活をめぐる法律問題に関する別のブログは次のとおりとなります。
併せて、ご閲覧下さい。
